多摩の森でカブトムシを捕ってみた

 ここ数日ブログの更新もせずに何をしていたかというと、実はカブトムシを求めて多摩の山を駆け回っていたんです。唐突にそんなことをし始めたきっかけはこいつ。

 7月の末、最後の試験が終わって帰ろうとしていたところ、明かりにつられて道端の茂みに偶然飛来したところを拾いました。うちの大学は山の中にある上、白色系の明かりがやたら多いので、まあ予想はしていましたがやっぱりびっくりです。
 そのままそこらへんに捨てて帰ってもよかったんですが、周りの環境を見るにまだいそうな様子。そこで、久しぶりに虫捕りでもしてみようか、と思ったわけです。考えてみれば、元々北海道にはカブトムシはいないので、自分でやったことがあるのはクワガタ捕りだけ。一度キャンプで立ち寄った所でなぜか立派なカブトムシが木についていたことがありますが、基本生息していないので。きっとあれは誰かが逃がしたんでしょう。
 ということで、初めてのカブトムシ捕りに挑戦してみました。最低限の目標は、立派な雄を1匹捕獲すること。もちろん繁殖狙いです。

第1ラウンド

 明りに飛んできた1匹をきっかけに始まったので、もちろん最初は2匹目のドジョウを狙って灯火採集。夜の7時を過ぎて暗くなり始めたころから大学内をうろつき、ターゲットが落ちていないか、また飛んでこないか目を光らせてみました。
 ところが、姿を現すのはセミばかり。アブラゼミが建物にぶつかって暴れてるばかりで、カブトムシはおろか甲虫類はほぼ皆無。セミ以外で目立ったものは、カサカサと地面を這う黒いゴキくらい。
 場所を変えるべく、大学を出て、付近の虫の出そうな明りに狙いを変えるも、音沙汰なし。第1ラウンド、あえなく敗北でした。どちらも基本的に虫自体が少なく、「多摩の森大丈夫か?」と心配になるほど。

第2ラウンド

 第1ラウンドを通じて大学とその周辺の森を歩きまわったところ、クヌギやコナラの木をたくさん見かけたので、場所としては間違っていないという確信は得ました。そこで次に試みたのが、トラップ採集。しかし、移動手段が電車であるためあまり大がかりなものや強いにおいの出るものは使用できないので、仕方なくえさ用に買ってあった蜜をまく作戦に。
 だめだろうなとは思っていましたが、やっぱりカナブンすら来ませんでした。見つけたのは森林性の小型ゴキ数匹と、立派なムカデ。第2ラウンドも完敗です。

第3ラウンド

 ところが、そのしょぼいトラップを見回る過程で、前夜の灯火飛んできて帰りそびれたらしきクワガタ(♀、たぶんノコギリ)を発見。「やっぱり何かいるのでは」との思いと、そのまま引き下がることへの悔しさから、しばらく付近を散策、少し離れたところまで足を延ばしました。そりゃ、5時起きで始発に飛び乗ってまで出てきて、残り物1匹拾って終わりじゃさびしいですよ。
 すると、文字通り林立するコナラの木立の中に、3匹ものカナブンが群がる木を発見。よく見ると、大量の樹液が流れ出ているではありませんか。最後の最後で大チャンス到来です。
 日没後にあらためて訪れてみたところ、早速3センチほどのコクワガタ♂発見。しかし、肝心のカブトムシは見当たりませんでした。あまりに暑いので連中の出足も鈍っているんだろう、と思い、コンビニで栄養補給後気を取り直して再アタック。パッと見蛾しか見えませんでしたが、諦めの悪い僕は舐めるように幹の上を捜索。ライトがなかったので、携帯の画面の光が便りです。
 すると、不意に黒光りする立派な尻出現。反対側に光を当てると、これまた立派な角が。

 とうとう捕獲成功、やっぱり天然樹液が一番です。あまり大きな個体ではありませんが、それでも十分。

総評

 思いつきと行き当たりばったりで決行した割には、クワガタのおまけも含めてなかなかの戦果でした。来年はクワガタも捕るためにもう少し早めに初めて、テスト勉強→帰りに見回りくらいのつもりで行こうかと。カブトムシは、今年捕ったペアが子孫を残してくれると思いますので。