なに、八王子?とうとうそんな身近でも……と思ったら

 試験も山を越えたことだし、前期の通常授業は昨日で終わったし、暑くてやる気は出ないしでゆる〜い記事でも書いておくか、と思ったら、ニュースの見出しにこんな物騒な事件が。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/080723/crm0807230943009-n1.htm
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20080723k0000e040050000c.html
 これだけ頻発していると(この前のid:tek_kocさんの記事にもありましたが)身近なところで起こっても不思議じゃないな、と思っていたので、「ああ、とうとうやっちまったか」とか言いつつ記事を読んでみたのですが、衝撃はそれだけじゃなかった。

絶句ってこういうことなんですね

 記事を読み進めていくと、犠牲になった方は「中央大学文学部4年……」。寝ぼけた頭をたたき起すには十分過ぎる衝撃です。確かここに書いたことはなかったと思いますが、学部は違えど僕自身も中大生。面識はないとはいえ、なんとも思わないでいられるはずがないです。学内ですれ違っていた人たちの中にいたかもしれないわけですし。とにかく、ご冥福をお祈りいたします。 
 中大はちょうど昨日で前期の授業日程が終了。まだ今日から数日の補講期間とその後のテスト期間が残っていますが、語学等の煩わしいものはもう済んでいるので実質今日から夏休みです。この人も、今日からの夏休み何をして過ごそうかと、いろいろ計画を立てていたんじゃないでしょうか。特に、最後の夏休みですし……。それに、4年のこの時期ともなればだいたい進路も固まってきている場合がほとんど。将来の目標なんかも、もう具体的な形でかんがえていたんだろうな、などと考えてしまいます。
 こんなこと第三者がごちゃごちゃ言うことじゃない、というのはわかっています。でも、これほど立場が近いと、いろいろ考えてしまうんですよ。とはいえ、今はただ静かに心の中で手を合わせるべきでしょう。明日補講で登校するので、何か掲示等あるかもしれません。休講もあり得ますが。

しかし、それにしても卑怯だ

 だいたいこういうたこ野郎が狙うのって、女性や子供、高齢者なんですよね。平日夜の本屋なんて、成人男性もたくさんいただろうに、結局刺されたのは両方女性。だからって「襲うなら男にしとけ」というわけでもないし、「誰でもいいから殺したい」という時点で卑怯極まりないですが、これでは卑怯の上塗りもいいところです。
 このような事件が相次いでいることは、一法学部生としても、これから学ぶ上で留意すべきでしょう。「法は弱者を守るためにある」という言葉もあるように、卑劣な凶刃による犠牲を食い止める術を考え発言するだけなら僕ら学生にだってできますし、そうやっている中に未来の法曹や法学者、社会学者、政治家や政治学者がいるわけですから。

余談ですが

 このような事件が起こると必ずと言っていいほどよく出てくる死刑についての話ですが、僕は死刑の抑止力というものに対しては懐疑的です。特にこういう人たちは意識的にしろ無意識的にしろ、人間を辞めちゃってるみたいですし。みたい、というのは、あくまで僕ら普通に生活している人間には容易に計り知れないような精神状態にあるため、あくまで推測として話すべきだろう、と思ったからです。
 しかし、そうは言っても昨日まで同じように並んで日常生活をしていた人間が突然人間を辞めてしまうのもまた事実。いつ、どこで、誰が化けるかわからない。こういうケースに関しては、前科者をもっと研究・対策に活用するのも一つの手じゃないでしょうか。
 少なくとも、たくさんの犯罪者を殺しきてはみたものの、現状では抑止という点に於いてあまり成果は上がっていないとみえます。それならば、どうすれば最も高い「抑止」効果をもたらせるかの議論を、いわゆる「聖域」を設けずに議論すべき時が来ているのではないでしょうか。死刑廃止につながるようなことを言うと「国賊」と言わんばかりに感情的に叩く人がいますが、あらかじめ言っておくと僕は死刑廃止ありきの廃止論者ではありません。ただ、凶悪犯のこれ以上の増加を防ぐためには、感情論を捨ててすべての可能性を考えるべきだとは思います。その点、死刑制度も例外でないし、そうすべきでない。効果が上がっていないなら、考えなくてはならない。人間辞めたら、死は大して怖くないんですよ。
 予断と称して随分脱線してしまいましたが、こんな事件はもう起きてほしくはありません。誰もが考えるような月並みなことでしょうが、僕も真剣に願います。